作戦参謀として実戦経験を持ち、兵法や戦略を語ることができた唯一の人物は、大橋武夫(1906~1987)氏以外にいないであろう。戦前は陸軍の関東軍参謀としてさまざまな作戦に関与してきた。元伊藤忠商事会長・瀬島龍三氏は当時の部下である。終戦時は陸軍中佐。戦後は労働争議で倒産した東洋時計(株)を再建し、東洋精密工業(株)社長に就任するなど複数社の経営再建を担った。
大橋氏のライフワークは「兵法」である。会社再建の手腕もさることながら、長年にわたる兵法や作戦、戦略研究は、多くの文献に加えて、自身の実戦経験と実地検証に基づくものであるだけに、その分析力・解説力は類例を見ないものである。氏が残された数々の図書や文献は「実践の知識」として貴重な財産であるといえる。
本メルマガは、大橋武夫氏が著した数々の兵法書の中から厳選して、現代風にわかりやすく書き起こしたものである。多くの兵法ファン、戦略研究家、経営者、コンサルタント、あるいは“歴女”の方々にも楽しめる内容になるようにしたい。
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